昔の「国」の 名がついた おいしい食べ物
2022/03/01
N2
世界的に 有名な 黒毛和牛の「但馬牛」ついて
日本の 牛肉は 世界でも とても有名です。
特に おいしいことで 有名なのは「神戸肉」と「松坂肉」です。
これらの 牛肉には 日本の 昔の 地名が つけられています。
「神戸肉」は「神戸牛」と言われることもあります。
しかし 実は 生きている「神戸牛」は いません。
神戸で 育った 牛だから「神戸牛」なわけでは ありません。
厳しい 条件を 満たした「但馬牛」の 牛肉を「神戸肉」とか「神戸牛」と 呼ぶのです。
一方「松坂牛」は「但馬牛」を 一定期間以上 松坂地方で 育てた 牛にしか 使えない 名前です。
そのため 松坂牛とは、牛肉の ことも 指しますが 生きている 「松坂牛」もいます。
「但馬牛」が 黒毛和牛 すべての 起源
黒毛和牛の 原種としての 「但馬牛」
日本国内で 色々な 地方の 名前が ついた 黒毛和牛が いますが、その 原種となる 牛が「但馬牛」です。
兵庫県の 北部である 但馬地方は 1000年以上前から 質の 良い 牛の 産地でした。
697年に 作られた「続日本紀」という 正式な 歴史書の 中で 但馬牛は「農業や 食用に 最適な 牛」と 紹介されています。
1800年代の 後半に 日本で 牛肉を 食べる 文化が 始まりました。
当時 神戸には 外国人が たくさん 住む 地区が ありました。
そして この 但馬牛の 牛肉が「神戸ビーフ」として 外国人に 人気に なりました。
その後 横浜などの 外国人が 住む 地域でも 評判となりました。
神戸を 経由して 伝わったので「神戸ビーフ」という 名前で 有名に なりました。
アメリカの オバマ元大統領が、2009年に 日本に 来た時に 「日本では 神戸ビーフを 食べたい」と 言ったことは 有名な 話です。
「但馬牛」は 知的財産権⁉
知的財産とは 人間の 知的活動によって 生み出された アイデアや 創作物などの ことです。
これらには 財産的な 価値を 持つものが あります。
そのため 知的財産として その 権利が 守られています。
2015年に「特定の 産地と 品質等で 結びつきのある 農林水産物や 食品等の 名称」を 知的財産として 保護するための「地理的表示法」が 作られました。
地名を つけた 牛肉の 中で 第1号の 指定が「但馬牛」です。
そして、牛肉 第2号は「神戸ビーフ」です。
これらの 表示を「GIマーク」と呼びます。
また、「地理的表示法」で 保護されているので これらの 名前を 勝手に 使うことは できません。
ちなみに「GIマーク」の 第1号は フルーツの「あおもりカシス」です。
「但馬牛」と 「神戸ビーフ」の 定義
・但馬牛
もともとは 但馬地方で 育てられた「但馬牛」の 血を 引く 牛のことでした。
しかし、現在では 兵庫県内で 県の 協議会委員が 育てて 県内の 食肉センターに 出荷した 牛のことを 言います。
・神戸ビーフ
神戸ビーフは 但馬牛であることが 前提です。
さらに 肉の 質や 霜降りの 度合等の 厳しい 条件を クリアした 最上級の 但馬牛の ことを 指します。
霜降りとは お肉の、赤い 部分の 中に 白い 脂肪が 細かく 網の 目のように 入り込んでいることです。
昔の 国の 名前が ついた 果物
ブドウ
ブドウと 言えば 粒が 大きい 巨峰や ピオーネ、緑色の 代表では マスカットなど いろいろな 種類の ブドウがあります。
甲州葡萄・甲州ワイン
山梨県が 日本全体の 20%以上を 生産する ブドウで 有名な 場所です。
800年以上の 栽培歴を 持つ 日本の ブドウ品種に 山梨県の 旧国名である「甲州」を つけたのが「甲州葡萄」です。
旧国名の 正式名称は「甲斐国」です。
しかし 甲斐国は「甲州」とも 呼ばれています。
この ブドウは そのまま 食べることも ありますが 主としては ワインを 作るために 使われています。
甲州葡萄から 作られるのが 日本を 代表する 白ワインの「甲州ワイン」です。
過去に ブドウの 生産量が 1位だった「河内国(現在の 大阪府)」
1920年代には 甲州葡萄を 大阪の 河内で 栽培しました。
そして、生産量が 日本一 でした(現在は 8位)。
ブドウを 作っているため 現在でも 旧国名の ついた「河内ワイン」が 作られています。
チョーヤの 梅酒で 有名な「チョーヤ」という 会社は「河内の ブドウ」を 栽培する 農家から スタートして、葡萄酒や ブランデーを 作っていました。
ミカン
昔の 国の 名前が ついているのは「紀州ミカン」と「伊予柑」です。
現在 日本で 一番 売れている ミカンの 品種は「温州ミカン」です。
この ミカンは 鹿児島県が 原産地です。
かんきつ類の 生産地として 有名な 中華人民共和国の 地方である「温州」に その 名前の 由来が あります。
紀州ミカン
「紀州」は「紀伊国」のことで、和歌山県の 昔の 国の 名前です。
紀州ミカンは 温州ミカンと 比べると やや 小ぶりです。
小ミカンとも 呼ばれています。
「紀州ミカン」を 有名にしたのは 江戸時代の 豪商「紀伊国屋文左衛門」です。
暴風雨の 中を 紀州から ミカンを 江戸に 運びました。
そして たくさん お金を 儲けたので「紀州ミカン」が 有名になりました。
「伊予柑」
「伊予柑」は 山口県で 発見されました。
しかし、愛媛県で たくさん 栽培されるようになり 県の 昔の 名前の「伊予国」から「伊予柑」と 名前が 付けられました。
伊予柑は 他の ミカンよりも 大きくて 甘みが あり ジューシーなので 温州ミカンの 次に たくさん 生産量が あります。