日本 で働 くときに、会社 から受 け取 る書類 ~雇用契約書 と労働条件通知書 ~
日本で働くときに、労働者が雇用主から受け取る書類があります。
「雇用契約書」と「労働条件通知書」です。
2つの書類を「雇用契約書 兼 労働条件通知書」として、1つにすることもあります。
どのような書類か、見てみましょう。
書類の形式
まず、あなたが受け取った書類の形式が正しいかどうか、確認しましょう。
書式
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- 「雇用契約書」「雇用契約書 兼 労働条件通知書」「労働条件通知書」など、書類の名前が書いてある。
- 雇用主の署名(サイン)と捺印がある。
- 労働者(あなた)の署名(サイン)と捺印がある。
外国人は印鑑を持っていないので、捺印ができません。その場合は署名だけで契約ができる、という法律があります。 - 契約をした年・月・日が書いてある。
「雇用契約書」と「労働条件通知書」の違いは、この後で説明します。
内容
- 受け取った書類のどこかに「絶対的明示事項」が書いてある。
- 受け取った書類のどこかに「相対的明示事項」が書いてあるか、書いていない場合は口頭で説明がある。
「絶対的明示事項」と「相対的明示事項」の内容は、この後で説明します。
「雇用契約書」と「労働条件通知書」
「雇用契約書」とは
雇用主と労働者が、仕事の契約をしたことを証明する書類です。
日本の法律では、口約束で仕事の契約をすることもできます。
しかし、証拠が残りませんから、後で問題が起きることが多いです。
ですから、契約内容の証拠として、書類を作るほうがいいです。
○労働条件を確認してから、署名しよう
「雇用契約書」に署名するということは、労働条件を読んだり聞いたりして、理解して、同意したということです。
労働条件をしっかり確認してから署名しましょう。
労働条件は、「雇用契約書」に書いてあります。
書いていなかったら、「労働条件通知書」という別の書類があるはずです。
雇用主に「労働条件通知書」が欲しいとお願いしましょう。
「労働条件通知書」とは
雇用主が労働者に、労働条件を伝えるための書類です。
労働者が日本人でも外国人でも、渡さないといけない書類です。
渡してないときは、罰金を払うことになります。
また、労働者が何回でも内容を読めるように、紙やメールで渡す必要があります。
「雇用契約書」に署名する前に、必ず「労働条件通知書」を受け取り、よく読みましょう。
「労働条件通知書」には、雇用主が絶対に書かなければならない内容と、書かなくてもいい内容の2種類があります。
「絶対的明示事項」と「相対的明示事項」
絶対的明示事項
雇用主が、労働条件通知書に絶対に書かなければならない内容のことです。
労働条件の中でも、特に大事な内容です。
- 契約期間:いつからいつまで働くか(日付)・契約を更新するときの条件など
- 就業場所:働く場所(会社など)の名前と住所
- 業務内容:主な仕事の内容
- 就業時間:何時から何時まで働くか(就業時間が終わったあとで働く時間は、「残業時間」です)
- 休憩時間:仕事の途中で休める時間
- 休日:仕事が休みの日
- 休暇:休日以外に仕事を休むときの条件など
- 賃金:給料の決め方や、支払う時期と方法
- 退職:仕事を辞める場合・辞めさせられる場合の条件など
- 昇給:給料が上がる場合の条件など
相対的明示事項
「絶対的明示事項」以外に、雇用主が労働者に説明するべき内容です。
「相対的明示事項」は書類に書かなくてもいいですが、書類に書かない場合は、労働者に口頭で説明しないといけません。
なお、10人以上の労働者がいる会社には、「就業規則」があります。
ですから、その中に「相対的明示事項」と同じ内容が含まれていたら就業規則を見せながら説明することもできます。
労働条件通知書を使う場合も、就業規則を使う場合も、雇用主が労働者に伝えるべき内容は同じです。
- 退職手当:退職手当が支払われる条件や期間
- ボーナス:給料以外に支払われる賞与の金額や支払いの時期
- 食費・制服代:支給されるか、自費で買うかなど
- 安全・衛生:労働者の安全と健康を守るために雇用主がやること
- 職業訓練:訓練の内容や期間など
- 災害補償:労働者が就業中や通勤中に事故にあった時に、雇用主がやること
- 表彰・制裁:種類や理由など
- 休職:労働者が契約期間に病気やけがで長期間休む時、雇用主がやること
(参考)
厚生労働省の労働条件通知書(モデル書式)
契約のときに、大事なこと
仕事の契約をする前に、時間をかけて書類を読んでください。
わからないことは、遠慮しないで雇用主に質問しましょう。
そして、十分に説明を受けて、納得してから契約してください。
そうすれば、安心して働けます。