【日本のしごと】貿易事務員
2020/03/25
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貿易事務員ってどんな仕事?
営業の部署と連絡を取り合って、原材料や製品の輸出・輸入といった海外との取引を行う際に必要なデータや情報を整理して、契約に必要な書類を作成します。
貿易手続き全般の流れを理解し、輸出入する商品や原材料、値段、数量、取引先を決定するための情報を収集・整理します。
輸出入を行う商品は、関連する国際法や輸出国、輸入国両方の法律にあてはめるので、取り扱う商品には輸出入の許可等や検査が必要かどうかなど、相手国と国内の法律を調査します。
次に、取引金額、取引数量、輸送手段、納期、保険、支払い方法などの話し合いがまとまれば、契約書をはじめ各種書類を作成します。
現在、貿易手続きはインターネットを利用した電子化が進められていますが、貿易をする場合、商品によって40種類に及ぶ書類が必要であり、取引に関係する企業も取引相手、銀行、船会社など20社を超える場合があります。
貿易事務員は、このように営業の部署とともに貿易取引を実際の具体的な仕事の面から進める役割を担当しています。
また、多くの企業では、管理・非営業部門として 法務・審査、 財務・ 経理、保険、 運輸・ 通関などの各部署のスタッフとして営業の部署と連絡を取りあって取引を進めています。
もう一方、商社等から通関手続きを代わりに行う仕事を受ける企業( 通関業者)でスタッフとして働く人もいます。
貿易事務員になるには?
一般的な学歴は短大・大学卒業程度であり、語学力、各種資格は採用の一要素として考慮されますが、責任感、意欲・情熱、物事を深く理解した優れた判断力などが重視されます。
語学力は、業務を行う上で必要であり、採用にあたり一定水準の語学力(例えばTOEIC500点以上)を求める企業もありますが、多くの企業は語学研修を実施し、語学力の向上を計画しています。
社内の所属先は、入社後1・2ヵ月間の新入社員研修の過程で、その仕事に合っている性質かどうかや本人の希望を考慮して決定されます。
特殊な技術的な能力・資格があれば、その関連部署に配置されることもあります。
配置後も、語学研修をはじめとして貿易に関する実際の具体的な仕事、 経理等の多様な研修プログラムが用意されており、能力向上が計画されます。
労働条件の特徴
都市部に商社、専門商社、 通関業者の本社が集中しているため、多くは都市圏勤務ですが、地方支店の勤務者もあります。
また、海外貿易を直接行う大手の製造メーカーや百貨店の海外事業部で活躍する貿易担当者もいます。
人材 派遣会社から 派遣され、契約社員として働く人も増えています。
一般事務職と区別されていない場合も多く、会議の準備やスケジュールの調整などの一般業務を行うことも多いです。
また、総合職と事務職を区分して採用している企業もあり、一般的には事務職採用の場合には転勤がありません。
仕事はパソコン等事務用の機械を利用しながらの業務が中心となるが、会社や仕事の内容によっては、銀行をはじめ関係機関に出かけて行くこともあります。
勤務は、完全週休2日制がしっかり決められており、給与は企業の業績、個人の業務評価により異なるが、全体として他業界に比べて高い水準にあります。
データで見る貿易事務員
仕事に就いている人の数(計)
9314766人
似ている職業
- 経理事務員
- 通関士
- 商社の営業部署