【ぶんか】西国三十三所観音霊場巡礼を しよう!
2021/06/16
N2
気軽に 観音霊場巡礼を はじめよう
観音霊場巡礼 とは?
奈良県 長谷寺 © 19980705_ クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)
今、 観音霊場巡礼を する 人が 増えています。
観音霊場巡礼とは、仏教の 神様である 観音様が 祀られている お寺を 訪れることです。
観音巡礼が 人々に 楽しまれるように なるまでに、歴史が ありました。
仏教には、 閻魔大王という 地獄の 神様が います。
閻魔大王は「地獄に 落ちる 人を 減らしてください」という 指示を だしました。
そして 厳しい 観音信仰を 求める お寺が 作られました。
また 仏教では 天国のことを 極楽と いいます。
人が 極楽に 行くためには 「ご宝印」と 呼ばれる 通行証を 見せなければ なりません。
また、この ご宝印は「納経印」とも 呼ばれています。
この納経印を 手に入れるためには 観音様に「写経」を 納経する 必要が あります。
写経とは 仏教の お経を 写して 書くことです。
お経 とは 仏教の 神様である 仏の 教えを まとめた ものです。
そのため 納経印を もらうための「写経」は とても 難しいです。
このような 理由から 観音巡礼に 出かけることを 迷う 人が いるかもしれません。
現在のような 巡礼が ふつうに なったのは、江戸時代からです。
人々は お伊勢参りを するために 関西に よく来ていました。
お伊勢参りとは 三重県にある 伊勢神宮という 有名な 神社に 行って お参りを することです。
せっかく 関西に 来たのですから 伊勢神宮のあとに 西国三十三所観音霊場巡礼をしはじめたことで 現在のような 巡礼が 普通に なりました。
人々が 観音霊場巡礼を することで 仏像や お寺の 建物に 興味を 持ってくれると 期待している お寺も あります。
そして「世界遺産」や「国宝や重要文化財」「日本三景」を楽しむことが できる お寺が たくさんあります。
世界遺産とは 世界で 認められている 文化的に 価値のある 施設です。
国宝や重要文化財は 日本が 認めた 重要な 文化です。
そして 日本三景とは 日本で 最も 美しいと 言われている 3つの 景色のことです。
このような 文化を 体験するために 観音巡礼をするのも 良いです。
観音霊場で 楽しむことが できる 世界遺産
一番札所 那智山青岸渡寺
和歌山 那智山 三重塔と那智の滝 © T-KIMURA クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)
ユネスコに 登録されている 世界遺産の「紀伊山地の 霊場と 参詣道」の中にあり、
お寺以外にも「那智の滝」や「熊野三山」を 楽しむことが できます。
五番札所 葛井寺
2019年に 世界遺産に 登録された「百舌鳥・古市古墳群」の中の「古市古墳群」が すぐ 近くにあります。
九番札所 興福寺南円堂
「古都奈良の 文化財」が 世界遺産です。
興福寺以外に「大仏」でよく 知られている「東大寺」、鹿で有名な「春日大社」などがあります。
少し 離れていますが、「姫路城」や、日本で最初の 世界遺産となった 「法隆寺地域の仏教建造物」 である 「法隆寺」 も あります。
第十六番札所の 清水寺など 京都市内の 札所
「古都京都の文化財」が 世界遺産ですが、清水寺の ほかに「上賀茂神社」「下鴨神社」などがあります。
そして、少し 離れた 宇治市にある「宇治上神社」「平等院」などの 神社や お寺が あります。
国宝や 重要文化財のある 観音霊場
第五番 葛井寺の 千手観音が 国宝です。
重要文化財の 仏像も たくさんあります。
- 第八番札所 長谷寺の 本堂
- 第十三番札所の 石山寺の 本堂・多宝塔
- 第十四番札所の 三井寺の 金堂
- 第十六番の 「清水の舞台」
の ほか たくさんあります。
そして 重要文化財の 建物も それぞれの お寺に あります。
日本三景を 見ることができる 観音霊場
第二十八番札所の 成相寺からは 日本三景の 一つである 「天橋立」 を見ることが できます。
観音霊場は このように いろいろな 魅力に あふれています。
そのため 人々は 楽しみながら 巡礼を することが できます。
観光しながら 観音巡礼する時の お寺での 作法
観光をしながら 巡礼を しても、 お寺へ お参りすることには 変わりません。
そのため 最小限の 作法を 紹介します。
手や 口を 洗う
まずは 山門から お寺に入って、入り口の「手水」で 手や 口を 洗います。
山門とは お寺の 門のことです。
ろうそくと 線香を おそなえする
仏教の お寺には 「本尊」と 呼ばれる 最も 尊重される仏像が あります。
そして 本尊を 置いている 場所を 「本堂」と 呼びます。
手と口を 洗ったら 本堂に 入って まずは ろうそくと 線香を お供えします。
手を合わせる
次に 本尊である 観音様の 前で 手を 合わせます。
神社に お参り するときには 「二礼 二拍手 一礼」が 一般的です。
神社では 手を 打ちますが、お寺では 手を 打たずに 合わせるだけで 良いです。
正式な 観音巡礼の 方法は 何でしょうか?
正式な 観音巡礼の 注意点です。
三十三所の 観音霊場で、巡礼を はじめた人である 「徳道上人」が 閻魔大王から 受け取った 「御宝印」を 使って、
極楽往生を 願うことが 巡礼の 目的です。
極楽往生とは 仏教の 文化で 安らかに 死ぬことを 意味します。
最近は 「納経印」を 集めることが 流行っています。
これを「御朱印ブーム」と 呼びます。
そして このような 人々は「納経印」を もらうことが 目的なので 「納経」しない 人が 増えているようです。
三十三所観音霊場の ほかに、
巡礼を 最初に はじめた 一人である「徳道上人」、
そして 巡礼の 文化を 再び 有名にした はじめの 一人である「花山法皇」に まつわる「番外」などと 呼ばれている お寺が 3つ あります。
そのなかの ひとつである「花山院菩提寺」(兵庫県三田市)には 注意書きが あります。
そこに、
まず 本堂に お参りをして 納経を したあと
納経印を もらって ください
と 書かれて います。
写経とは 何でしょうか
写経は、お手本の お経を 下に 敷きます。
その上に 写経 専用の 紙を 置きます。
紙は 和紙です。 筆と 墨を 使って 書きます。
写経といえば 「般若心経」ですが、272文字も あり 漢字も 難しいです。
漢字に 慣れていない 人には、とくに 難しいかも しれません。
この「般若心経」の 写経は、初心者に とっては かなり 難しいです。
おすすめの 簡単な 写経 「延命十句観音経」
この お経は 観音様への 誓いを 書くものです。
そのため 観音巡礼に ふさわしい お経です。
また 字数も 42文字ですので 写経が しやすい お経です。
「観世音 南無仏」
「与仏有因 与仏有縁」
「仏法僧縁 常楽我浄」
「朝念観世音 暮念観世音」
「念念従心起 念念不離心」
延命十句観音経とは これらから 作られている お経です。
この お経は 次のように リズミカルに 読みます。
「かんぜーおん なーむぶつ よーぶつうーいん よーぶつうーえん ぶっぽうーそうーえん じょーうらくがーじょう ちょうーねんかんーぜーおん ぼーねんかんぜーおん ねんねんじゅうしんき ねんねんふーりーしん」
つまり「いつも 観音様を 信じて、朝に夕に 観音様を 念じます」という 誓いの 言葉です。
少なくとも 3回以上 となえます。
また 写経ですが、筆を 使わないで 書きやすい えんぴつや サインペンでも 問題 ありません。
ぜひ 気軽に 挑戦してみて ください。