【ぶんか】昔むかしの「国くに」の名なのついた「伝統的でんとうてき工芸品こうげいひん」の「漆器しっき」

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伝統的工芸品でんとうてきこうげいひんとは

伝統的工芸品でんとうてきこうげいひんは、経済産業省けいざいさんぎょうしょうが　認みとめた　工芸品こうげいひんです。
伝統的工芸品でんとうてきこうげいひんは　現在げんざい　263品目ひんもく　あります。

一般的いっぱんてきに、伝統的工芸品でんとうてきこうげいひんは　100年以上ねんいじょうの　伝統でんとうがある　工芸品こうげいひんです。
「伝統的工芸品産業でんとうてきこうげいひんさんぎょうの振興しんこうに関かんする法律ほうりつ(伝産法でんさんほう)」では、以下いかの　5つの　条件じょうけんを　決きめています。

• 「漆器しっき」
• 「陶磁器とうじき」
• 「織物おりもの」

を　含ふくめて、15業種ぎょうしゅが「伝統的工芸品でんとうてきこうげいひん」の　業種ぎょうしゅです。

漆器しっき(英語えいごでは　japan)

漆器しっきは　英語えいごで　japanと呼よばれています。
まず漆器しっきに　ついて　説明せつめいします。

漆器しっきとは

木きや　紙かみで　作つくった　土台どだいに　漆うるしを　ぬって　固かためます。
漆器しっきは　食器しょっきの　他ほかにも、

• 茶器ちゃき
• 箱はこ
• たんす
• 刀かたなの　さや

などの　美術的びじゅつてきに　評価ひょうかの　高たかいものも　あります。

一般的いっぱんてきに　漆器しっきは　お椀わんや　はしのような　食器類しょっきるいです。
土台どだいに　ぬる　漆うるしは、英語えいごで　”japanese　lacquer”　といいます。

漆器しっきの　産地さんち

漆器しっきの　原材料げんざいりょうは、「ウルシの木き」から　出でる　液体えきたいです。
これを「漆うるし」と　呼よびます。
そして　「木地きじ」と　呼よばれる　土台どだいの　部分ぶぶんは　木きや　紙かみです。

北海道ほっかいどうにある1万年以上前まんねんいじょうまえの縄文遺跡じょうもんいせきから漆製品うるしせいひんが発見はっけんされているほか、
全国各地ぜんこくかくちでも様々さまざまな品物しなものが出土しゅつどしたりしています。

現在げんざいでは　国産こくさんの　漆うるしは　全体ぜんたいの　使用量しようりょうの　数すう%にまで　減少げんしょうしました。
そのうちの

• 70%が　岩手県いわてけん
• 15%が　茨城県いばらきけん
• 10%が　栃木県とちぎけん

となり、生産せいさんをする　県けんも　激減げきげんしています。

100年以上前ねんいじょうまえの　資料しりょうでは、北きたは　青森あおもりから　南みなみは　九州鹿児島きゅうしゅうかごしままで
主おもな　産地さんちが　30か所しょありました。

伝統的でんとうてき　工芸品こうげいひんに　指定していされた　産地さんちと　漆器しっきの　名前なまえ

生産府県せいさんふけんと　漆器しっきの　名前なまえ

全国ぜんこく　17府県ふけんと　そこで　生産せいさんされる　漆器しっき　23種類しゅるいが　伝統工芸品でんとうこうげいひんです。

三大漆器さんだいしっき

日本にほんには　三大漆器さんだいしっきと　呼よばれる　三みっつの　漆器しっきが　あります。

• 福島県ふくしまけんの　会津塗あいづぬり
• 石川県いしかわけんの　輪島塗わじまぬり
• 石川県いしかわけんの　山中塗やまなかぬり

です。

▼ 会津塗あいづぬりの　グラス

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昔むかしの　国名こくめいが　ついた　漆器しっき

漆器しっきの　生産地せいさんちに　地名ちめいが　付つけられることが　多おおいです。
漆器しっきの　中なかには　昔むかしの　国名こくめいを　つけたものも　あります。

• 福井県ふくいけんの　越前漆器えちぜんしっき・若狭塗わかさぬり
• 和歌山県わかやまけんの　紀州漆器きしゅうしっき
• 沖縄県おきなわけんの　琉球漆器りゅうきゅうしっき

が　あります。

▼ 和歌山県わかやまけんの　紀州漆器きしゅうしっき

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若狭塗わかさぬり

▼ 若狭塗わかさぬりの塗箸ぬりばし

若狭塗わかさぬりは　特とくに「塗箸ぬりばし」が　有名ゆうめいです。
「若狭国わかさこく」（今いまの　福井県西部ふくいけんせいぶ）で　作つくられるので、若狭わかさの　名前なまえが　付つけられています。

若狭国わかさのくにの　国府こくふが　おかれていたのが　小浜市おばましです。

国府こくふとは　その国くにの　中心機関ちゅうしんきかんのことです。
その　縁えんからか、アメリカの　オバマ元大統領もとだいとうりょうに　塗箸ぬりばしが　送おくられました。

また　世界せかいで　一番いちばん　古ふるいと　言いわれる　漆うるしの　木きの　枝えだは、
若狭国わかさのくにに　あった　「鳥浜貝塚とりはまかいづか」（今いまの　福井県三方上中郡ふくいけんみかたかみなかぐんに　あります）で　発見はっけんされました。

この　漆うるしの　木きの　枝えだは、約やく12600年前ねんまえのものです。
この　貝塚かいづかからは　赤漆せきしつを　しみこませた　糸いとで　作つくられた　装飾品そうしょくひんや、
黒漆こくしつの　上うえに　赤漆せきしつを　重かさねた　土器どきが　発見はっけんされてました。

漆うるしを　使つかった　国宝こくほう

7世紀せいきに　法隆寺ほうりゅうじという　寺てらが　建たてられました。
その　寺てらに　ある「玉虫厨子たまむしのずし」が　国宝こくほうに　なりました。

興福寺こうふくじという　有名ゆうめいな　寺てらに　ある　阿修羅像あしゅらぞうという　仏教芸術ぶっきょうげいじゅつの　像ぞうも　漆うるしが　使つかわれています。
そして　この像ぞうも　国宝こくほうです。

漆うるしを　使つかったものは　芸術品げいじゅつひんを　美うつくしくするだけではなく、
1000年以上ねんいじょう　経たっても、その　美うつくしさを　保たもつことができます。
漆うるしの　とくに　すごい　ところです。

参考さんこう：伝統的工芸品でんとうてきこうげいひん （METI/経済産業省けいざいさんぎょうしょう）
文章ぶんしょう・画像提供がぞうていきょう：gmaru様さま