【ぶんか】日本の 着物について 15世紀ごろまでは 高級品だった「木綿」の 着物
2021/12/15
N3
木綿の 歴史
現在、木綿は 日本でも 世界でも 天然繊維の 代表です。
実用品に 多く 使われて います。
しかし、日本では 15世紀くらいまでは、輸入でしか 手に入りませんでした。
絹の ように 高級な 織物でした。
まず 木綿の 歴史から 説明します。
木綿は 麻の 次に 古いと いわれる 植物繊維です。
世界で 一番 古い 木綿栽培は、約8000年前に 行われました。
7000年前には インダス文明(四大文明の 一つ)が さかえた、
インダス川の 近くでも 育てられていた ようです。
しかし 木綿の 栽培は、世界的には あまり広がりませんでした。
中国でも 10世紀よりも あとに やっと 伝わったようです。
日本でも 15世紀よりも あとに 栽培が 始まりました。
木綿に ついての 逸話としては、2500年ほど 昔に 世界を 席巻した アレクサンダー大王も 木綿の 存在を 知りませんでした。
その時の 文献には、
「インドには 羊の 毛が 生える 木が ある。」
と 書かれて いました。
北ヨーロッパでは 1350年に
「インドには えだの さきから 小さな 羊の 子が 出る すごい 木が ある。」
と 書かれた 記録も あります。
この お話に よって、ドイツ語で 木綿は
Baumは 木で、Wolleは ウール(羊の 毛) です。
日本でも 「木綿」と いいます。
もともと 日本では「綿」は 絹でした。
つまり「木の 絹」と なるので、ドイツと 同じ考えだった かもしれません。
日本の きぬおりもの
木綿の れきし
「日本後紀」には 799年に 今の愛知県に あった 三河国に 来た 崑崙人(:インド人 もしくは ベトナム人)が きぬの たねを 伝えたと あります。
きぬを 育てることは 長く つづかきませんでした。16世紀の 後に きぬは 日本で 多く 育てられました。
日本で きぬが 作られるまで、中国や 朝鮮から きぬを 買っていました。ですから とても 高かった です。
木綿が 人気に なる
それまで 多く 育てられた 苧麻より、織物を かんたんに 作ることができました。
また 木綿の ふくは きもちが よい から 日本で すぐに 人気に なりました。
それまでは 絹の 着物は 貴族や 武士が 着ていました。
一般的な 着物は 麻で できていました。
木綿が 日本で 人気になったので、
幕府は ぜいたくを 禁止 する 「着物に関する定め書き(1628年)」という ルールを 作りました。
百姓(一般の農民)は 麻か 木綿の 着物だけを 着ることができました。
そのくらい 麻が 多く 使われました。
木綿を 使った 製品
木綿は 水に 強いため、下着や タオル、ハンカチなどに よく 使われます。
タオルの 高級ブランドとして、
- 愛媛県の 「今治タオル」
- 大阪府の 「泉州」タオル
が 有名です。
これらの 製品の ほとんどは、亜麻(リネン)から 作られて います。
着物に 使われる 苧麻から 作られる 木綿
着物に つかわれる 綿織物で いちばん 代表的な ものは、「絣」です。
もともとは 糸に 藍を つけて、藍色と 白の ところを 残した 糸の ことを 意味し、「絣糸」と いいます。
また 白い ところが あるため、「飛白」と 書くことも あります。
この 糸を 使って 作られるため、かすった ような もようが できます。
ですから 「絣」という 名前が ついたと いわれています。
日本で 有名な 3つの 絣
- 広島県東部の 備後絣
- 愛媛県の 伊予絣
- 福岡県西部の 久留米絣
を 三大絣と いいます。
全て 18世紀に 作られました。
伊予絣も 久留米絣も、12才の 女の子が 織り方を 考えたと いわれています。
伊予絣が 日本で 一番の 時も ありました。
しかし 備後絣と ともに 生産量が 少なくなりました。
今は 久留米絣が 代表的です。
伝統的な 工芸品 である 手で おる くるめかすり
久留米絣は 1957年に 「国の重要無形文化財」に 指定され、
1976年には 「伝統工芸品」に なりました。
久留米絣は 綿の 織物で、空気が よく 通ります。
ですから 夏に 着ると 涼しいです。
冬に 着ると、内側の 熱が 逃げにくく、あたたかいです。
どの季節でも 着れる 普段着として 愛用されています。
また、2019年には 久留米絣で はじめて 作られた 浴衣が、
西日本新聞で 紹介されました。
日本では、絹や 麻の 着物が 2000年くらい 前から はじまりました。
17世紀頃から 木綿も 使われ、季節や シチュエーションに 合わせて、いろいろな 種類の 着物を 選べるように なりました。