【ぶんか】二十二番札所にじゅうにばんふだしょ「総持寺そうじじ」に　行いこう

N2

総持寺そうじじの　観音像かんのんぞうは　亀かめの背中せなかに　乗のっています

お寺てらの歴史れきし

中納言ちゅうなごんであった　藤原山蔭ふじわらのやまかげが、　長谷寺はせでらの　観音かんのんの　化身けしんであると　言いわれていた　仏師ぶっしに、　観音像かんのんぞうを　作つくるよう　依頼いらいしました。

中納言ちゅうなごんとは　今いまでいう　閣僚かくりょうのように　国くにの中なかでも　高たかい地位ちいの　役職やくしょくのことです。

886年ねんに　亀かめの　背中せなかに　乗のった　観音像かんのんぞうが　完成かんせいしました。　そして、お堂どうを建たてて　お祀まつりを　しました。

「山蔭やまかげ」は　お寺てらの　完成前かんせいまえの　888年ねんに　亡なくなりました。890年ねんに「山蔭やまかげ」の　子こどもたちが　五重塔ごじゅうのとうや　金堂こんどうなど　総持寺そうじじの　伽藍がらん(お寺てらの建物たてもの)を　完成かんせいさせました。

なぜ　観音かんのんが　亀かめの背せに　乗のっているのか？

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亀かめを　助たすけ、亀かめに　助たすけられる

「山蔭やまかげ」の父ちちである　藤原高房ふじわらのたかふさが　九州きゅうしゅうの　太宰府だざいふに　赴任ふにんするため　淀川よどがわを　下くだっていた　時ときの　ことです。

漁師りょうしたちが　一匹いっぴきの　大おおきな亀かめを　捕つかまえていたようです。　そこで、「高房たかふさ」は　自分じぶんの　着物きものと　亀かめを　交換こうかんして、　大亀おおがめを助たすけ、　川かわに　放はなしてやりました。

その夜よる、「高房たかふさ」の子供こどもである「山蔭やまかげ」が、　川かわに　落おちてしまいました。
「高房たかふさ」は　常日頃つねひごろから　信仰しんこうしていた　観音かんのんに、　一生懸命いっしょうけんめい　お願ねがいをしました。

すると、川かわの中なかから　その日ひに　助たすけた　大亀おおがめが　あらわれ、　元気げんきな「山蔭やまかげ」を　背せに乗のせて　いた　とのことです。

観音かんのんの　製作せいさく

「高房たかふさ」は　「山蔭やまかげ」が　大亀おおがめに　助たすけられたこともあり、　観音かんのんに　お礼れいをしようと　思おもい立たちました。

「高房たかふさ」は　大宰府だざいふに　赴任ふにんしたときに　唐とうへ　行いく予定よていの　遣唐使けんとうしに、　観音像かんのんぞうの　材料ざいりょうとなる　香木こうぼくの　調達ちょうたつを　依頼いらいします。

遣唐使けんとうしは　香木こうぼくを　見みつけることは　できましたが、唐とうからの　持もち出だしは　認みとめられませんでした。

遣唐使けんとうしは　仕方しかたなく　香木こうぼくに　「日本にほんの高房宛たかふさあて」と書かいて、　海うみに　流ながしました。

その後ご、「高房たかふさ」は　亡なくなり、　「山蔭やまかげ」が　大宰府だざいふに　赴任ふにんしました。

ある日ひ、　浜辺はまべに「高房宛たかふさあて」と書かかれた　香木こうぼくが　流ながれ着ついて　いました。「山蔭やまかげ」は　その香木こうぼくで　観音像かんのんぞうを　作つくることに　決きめました。

任期にんきを　終おえて、都みやこに　戻もどった「山蔭やまかげ」は、　奈良ならの　長谷寺はせでらから　一歩いっぽも外そとに出でずに　仏師ぶっしを　探さがすことにしました。

ある朝あさ、観音かんのんの　お告つげにより　子こどもの　姿すがたをした　仏師ぶっしに　巡めぐり合あいます。その香木こうぼくで　観音像かんのんぞうを　作つくることを　依頼いらいします。

仏師ぶっしは「仏像ぶつぞうを　彫刻ちょうこくする　千日間せんにちかんは、　誰だれも　この堂どうに入はいらないこと。また、「山蔭やまかげ」自身じしんが　毎日まいにち　仏師ぶっしの　食事しょくじを　作つくること」と言いいました。

山蔭やまかげは　千日間せんにちかん　毎日まいにち　ちがう料理りょうりを　作つくり続つづけました。　千日目せんにちめの　朝あさに　お堂どうに　入はいってみると、　千日間せんにちかんの　食事しょくじを　お供そなえされた　観音像かんのんぞうが、　亀かめの背せに　乗のった姿すがたで、出来上できあがっていた　とのことです。

総持寺そうじじは　日本古来にほんこらいの　伝統でんとうのある「山蔭流包丁式やまかげりゅうほうちょうしき」の　お寺てら

包丁式ほうちょうしき　と　藤原山蔭ふじわらのやまかげ

包丁式ほうちょうしきとは、昔むかし　宴席えんせきで　その家いえの主ぬしが　来客らいきゃくの　前まえで　座敷ざしきに　まな板いたを　置おき、料理りょうりを　見みせたことに　由来ゆらいしています。

「山蔭やまかげ」は　「山蔭やまかげの千日料理せんにちりょうり」とも言いわれ、　千日間せんにちかん　毎日まいにち　ちがう料理りょうりを　作つくることができた　料理りょうりの名人めいじん　でした。

「山蔭やまかげ」は　元々もともと　天皇てんのうに　仕つかえる　公卿くげ　でした。　当時とうじの　天皇てんのうであった　光孝天皇こうこうてんのうの　命令めいれいで　新あたらしい　包丁式ほうちょうしきを　作つくりました。

現在げんざいは、「四条流しじょうりゅう」と　呼よばれる　流派りゅうはです。　当時とうじは、　「山蔭やまかげ」が始はじめたことから　「山蔭流包丁式やまかげりゅうほうちょうしき」と　名付なづけられました。

包丁殿ほうちょうでん　と　包丁式ほうちょうしき

総持寺そうじじの　中なかに　包丁殿ほうちょうでん　という　建物たてものがあります。　そこで、毎年まいとし　4月がつ18日にちに　包丁式ほうちょうしきが　行おこなわれます。

包丁式ほうちょうしきには　全国ぜんこくの　包丁師ほうちょうし(調理師ちょうりし)が　集あつまります。

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(写真しゃしんは　千葉県ちばけんの　高家神社たかべじんじゃの　包丁式ほうちょうしきの　様子ようすです)
昔むかしと　同おなじ　衣装いしょうを　着きて、　鯉こいや　鯛たいなどの　魚さかなを　一切いっさい　手てで　触さわらずに　包丁ほうちょうと　真魚箸まなばし　という　長ながい箸はしを　使つかって、　見事みごとな　包丁ほうちょうさばき　を見みせます。

お寺てらの　中なかで　魚さかなを　料理りょうりしてくれるのは　珍めずらしいですが、「山蔭流やまかげりゅう」を　始はじめたのが　総持寺そうじじの　開祖かいその　「山蔭やまかげ」だったから　でしょう。

また、境内けいだいには　「包丁塚ほうちょうづか」という　建物たてものが　あります。　使つかえなくなった　包丁ほうちょうを　供養くようする　場所ばしょです。

西国御砂踏さいこくおすなふみ

本尊ほんぞんの　観音像かんのんぞうは　秘仏ひぶつと　されています。
普段ふだんは　見みることが　できません。　

毎年まいとし　4月がつ15日にちから21日にちの間あいだだけ　「本尊様ほんぞんさまご開扉かいひ」として　扉とびらが　開あけられます。

その期間きかんに　合あわせて「西国御砂踏さいこくおすなふみ」が　開ひらかれます。　西国三十三所さいこくさんじゅうさんしょの　観音像かんのんぞうの　絵えが　壁かべに　かけられます。

観音像かんのんぞうの　前まえには、　それぞれの　札所ふだしょの　砂すなが　おかれています。この砂すなの　上うえを　歩あるいて　回まわれば　三十三所巡礼さんじゅうさんしょじゅんれいに　なる　ということです。

また、「御砂踏おすなふみ」とは　別べつに、本堂ほんどうの　北側きたがわの　堂どうに　三十三所さんじゅうさんしょの　石造いしづくりの　観音像かんのんぞうが　おかれ、いつでも　三十三所巡礼さんじゅうさんしょじゅんれいが　体験たいけんできます。

また、このお堂どうには「四国八十八箇所しこくはちじゅうはちかしょ」もあります。
総持寺そうじじの　中なかだけで　一度いちどに　「西国さいこく」と「四国しこく」の　巡礼じゅんれいが　体験たいけんできます。

ただし、足元あしもとに　各札所かくふだしょの　御砂おすなは　置おかれていません。
体験たいけんする　場所ばしょだと　考かんがえる方ほうが　いいかもしれません。

総持寺そうじじへの行いき方かた

京都きょうとから

・JR 　京都線きょうとせん　　京都駅きょうとえき～JR総持寺駅そうじじえき　23分ぷん　徒歩とほ5分ふん
・阪急はんきゅう　京都線きょうとせん　　京都河原町駅きょうとかわらまちえき～総持寺駅そうじじえき　27分ふん　徒歩とほ6分ぷん

大阪おおさかから

・JR　京都線きょうとせん　　大阪駅おおさかえき～JR総持寺駅そうじじえき　20分ぷん　徒歩とほ5分ふん
・阪急はんきゅう　京都線きょうとせん　　大阪梅田駅おおさかうめだえき～総持寺駅そうじじえき　20分ぷん　徒歩とほ6分ぷん